そもそも一人親方でも建設業許可は必要なのか?
建設業許可は、工事1件あたりの請負金額が500万円(税込)以上、または延べ面積が150平方メートル以上の木造住宅の建築工事などに該当する場合に必要です。
一人親方だからといって例外ではなく、条件を満たす工事を行う場合、法人でなくても建設業許可を取得する必要があります。
許可を取得することで、次のようなメリットがあります:
- 元請業者との契約がスムーズになる
- 大きな工事案件を受注できるようになる
- 取引先からの信頼度がアップし、リピート依頼につながる
一人親方だからこそ、許可を取得して営業力を強化することは、将来的な受注拡大や売上アップに直結します。
一人親方が建設業許可を取るための要件
建設業許可を取るためには、いくつかの要件をクリアする必要があります。特に重要なのが、**「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」**の要件です。
① 経営業務の管理責任者(経管)の要件
一人親方の場合、自分自身が「経営業務の管理責任者」となるケースが一般的です。
この場合、6年以上の実務経験が証明できれば、経管として認められます。
具体的な証明書類の例:
- 工事契約書
- 請求書や領収書
- 工事実績を示す資料(施工写真や業務日報など)
これらを揃えることで、個人事業主でも経管の条件をクリアできます。
② 専任技術者(専技)の要件
専任技術者も一人親方自身がなる場合が多いですが、そのためには以下のいずれかを満たす必要があります:
- 10年以上の実務経験
- 国家資格を持っている(例:2級建築施工管理技士、1級建築士など)
資格がない場合でも、過去の工事経験を積み重ねてきた履歴を証明すれば要件を満たせます。
資格を持っている場合は、資格証のコピーを用意するだけで大丈夫です。
③ その他の要件
その他には、次のような要件があります:
- 営業所の確保:自宅を兼ねた事務所で認められるケースもあります
- 財務的基盤の証明:500万円以上の資本金や経済的基礎を示す必要がありますが、一人親方の場合でも対応可能な事例が多いです
一人親方だからといって特別扱いされることはありませんが、必要な条件を満たせば問題なく建設業許可を取得できます。
一人親方が許可取得で注意すべきポイント
一人親方として建設業許可を取得する際には、次のような注意点があります。
証明書類の準備がカギ
最も重要なのは、実務経験を証明するための書類を揃えることです。
一人親方の場合、過去の工事に関する書類が十分に残っていないケースも多いですが、できる限り以下を用意しましょう:
- 工事契約書
- 請求書や領収書
- 写真や工事記録
これらがしっかり揃っていれば、経管や専技の要件をクリアしやすくなります。
手続きの手間に挫折しない
許可取得のための手続きは煩雑で、一人で進めると負担に感じるかもしれません。
ただし、これは一度乗り越えれば済むことであり、その後のメリットを考えれば十分価値があります。
手続きが苦手な場合は、行政書士などの専門家に相談するのも一つの手です。
更新や届出を忘れない体制づくり
許可取得後も、更新や届出を忘れずに行う必要があります。一人親方の場合、日々の業務が忙しい中で事務作業を後回しにしがちですが、期限管理を徹底する仕組みを整えておくことが大切です。
一つの方法として、自分で管理リストを作り、スケジュールに組み込むことが挙げられます。しかし、より確実な方法として、外部の行政書士などに管理を委託することも検討できます。専門家に依頼すれば、書類準備や期限管理を代行してもらえ、手続き漏れのリスクを大幅に減らすことができます。
特に定期的な届出や更新の際、行政書士が事前に通知をしてくれる体制があれば安心です。忙しい現場作業に集中しながら、安心して許可を維持できます。
実際に一人親方で建設業許可を取得している割合について
一人親方として建設業許可を取得している割合に関する具体的な統計データは公表されていません。ただし、いくつかの調査から推測が可能です。
2019年の国土交通省の調査によれば、従業員9人以下の小規模企業において一人親方が44.5%を占める結果が出ています。また、直近5年間で一人親方として独立した人数が増加したと回答した企業は26.1%に上ります。これらのデータから、一人親方の数自体が増加していることは明らかです。
ただし、これらの一人親方が実際に建設業許可を取得している割合については具体的な統計がないため、正確な数値は難しい状況です。多くの一人親方が請負金額500万円未満の工事に留めているため、許可を取得していないケースが多い一方で、大規模工事を受注するために許可を取得している一人親方も一定数存在すると考えられます。
まとめ|一人親方でも「建設業許可」は取得可能
一人親方であっても、必要な条件を満たし、きちんと準備をすれば建設業許可を取得できます。取得することで、受注の幅が広がり、元請との取引もスムーズになるなどのメリットがあります。
特に、経管や専技の要件が心配な方も、実務経験や資格証明書をしっかり揃えれば問題ありません。また、更新や届出の管理には外部の専門家を活用することで、手続き漏れのリスクも軽減できます。
一人親方として今以上の受注や信頼を得たい方は、この機会に建設業許可取得を検討してみてはいかがでしょうか?

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