建設業許可のカギ「専任技術者」とは?要件・必要資格・よくある質問をわかりやすく解説!

専任技術者とは?

建設業許可を取得するためには、複数の要件を満たす必要がありますが、その中でも特に重要なのが「専任技術者」です。

専任技術者とは、申請する建設業の“技術的な責任者”として、会社や事業所に常駐している技術者のことを指します。

許可を出す行政にとっては、「ちゃんとした技術力がある会社なのかどうか?」を確認するための大切な要素。つまり、「人」が許可の大前提となるわけです。


専任技術者の配置が必要な場面とは?

専任技術者の配置が必要なのは、以下の2つのタイミングです。

  1. 許可申請・業種追加のとき
  2. 営業所(本店・支店)で建設業を営む場合

つまり、建設業許可を受けるすべての営業所に対して、業種ごとに専任技術者が必要になるということです。


専任技術者になるための要件とは?

専任技術者には、次の2つのうちどちらかの要件を満たす必要があります。

指定学科の学歴+実務経験

最終学歴必要な実務経験年数
大学(指定学科)卒業実務経験 3年以上
高等専門学校卒業実務経験 5年以上
高校卒業実務経験 5年以上(7年以上の場合もあり)

一定の国家資格や免許を持っている

例えば以下のような資格を持っていれば、実務経験がなくても専任技術者になれます。

  • 1級・2級建築士
  • 1級・2級施工管理技士(建築・土木・電気など)
  • 電気工事士、管工事施工管理技士 など

→ 業種によって該当資格は異なるため、具体的には確認が必要です。


よくある誤解と注意点

代表者が現場にも行ってるからOK?

たとえ代表者でも、要件を満たす実務経験や資格がない場合は専任技術者にはなれません。

一人で複数業種をカバーできる?

同一の技術者が複数業種を兼任することも可能ですが、それぞれの業種に対して実務経験または資格の裏付けが必要です。

複数営業所に一人を兼任できる?

できません。専任技術者はその営業所に常勤・常駐している必要があるため、他の支店と兼任は不可です。

専任技術者を複数営業所で“兼任”してしまった場合の対処法とは?

専任技術者は「営業所ごとに専任で配置されていること」が建設業法上のルールです。
つまり、1人の技術者が複数の営業所を兼任することは原則として認められていません。

しかし、実務上では「知らずに兼任状態になっていた」「申請ミスで重複してしまっていた」というケースもゼロではありません。

よくある兼任ミスの例

  • 本店と支店に同一人物を専任技術者として登録していた
  • 支店を増やしたが、専任技術者を追加で配置していなかった
  • 他の会社と兼任していることが発覚した

もし兼任が発覚したらどうなる?

兼任が発覚すると、建設業許可を出している都道府県や国土交通省から「是正指導」が行われます。
改善がされない場合には、以下のようなペナルティが課される可能性があります。

  • 業種の営業停止(指定期間、営業できなくなる)
  • 許可の取消し処分(重度の違反)
  • 許可更新や業種追加が却下されることも

早めの対処が重要!対応策3つ

  1. すぐに片方の営業所の専任技術者を交代・補充する
     → 別の社員を専任技術者に任命するか、新たに要件を満たす人を採用・転籍して対応します。
  2. 営業所の統合や廃止を検討する
     → 実質的に営業実態のない支店であれば、許可返納や統合という選択肢もあります。
  3. 事後的に変更届を提出して整合性を取る
     → 速やかに「専任技術者変更届」を提出し、現在の配置が法的に正しいことを証明するのが理想です。

専任技術者の兼任は“うっかり”が命取りに

専任技術者の兼任状態は、行政の立入調査や更新審査時に発覚することが多く、悪意がなくても「違反」と判断されてしまいます。

「誰が、どの営業所で、どの業種を担当しているのか」を社内でも明確に管理し、定期的に確認する体制づくりが重要です。


専任技術者の確認書類とは?

申請時には、次のような書類で「専任技術者の要件を満たしていること」を証明します。

  • 資格証明書のコピー(施工管理技士証など)
  • 実務経験証明書(様式第11号+工事経歴書)
  • 卒業証明書(指定学科であることを証明)
  • 雇用契約書・社会保険証など(常勤性の証明)

証明書類の不備や記載ミスがあると、審査が長引いたり却下されたりすることもあるため、注意が必要です。


専任技術者に該当する人がいない場合は?

自社内に要件を満たす人がいない場合は、次の方法が検討できます。

  • 経験豊富な職人さんや技術者を雇用する
  • 外部の協力者に入社してもらう(常勤が前提)
  • 資格取得や実務経験の蓄積で将来的に対応する

すぐに人材が見つからない場合は、申請を焦らず、まずは相談だけでもしておくことをおすすめします。

専任技術者と主任技術者の違いとは?

建設業界では「技術者」という言葉がさまざまな場面で使われますが、「専任技術者」と「主任技術者」では役割や位置づけがまったく異なります。

専任技術者は“営業所”に必要な人

  • 建設業許可の取得・維持のために必要
  • 営業所に常勤することが義務
  • 書類審査で資格や経験を証明
  • 工事現場に出る必要はない
  • 複数の営業所で兼任不可

あくまで許可のための「社内配置」の役職です。

主任技術者は“現場”に必要な人

  • 実際の工事現場に配置される責任者
  • 施工管理や安全指導などを担当
  • 下請への再委託制限なども管理
  • 常駐義務があり、現場を離れられないケースもある

建設工事そのものを“現場で監督”する立場です。


両者の比較一覧

比較項目専任技術者主任技術者
目的建設業許可の要件現場管理(法令遵守)
配置場所営業所工事現場
常勤義務あり(営業所)あり(現場)
資格・経験要件許可業種ごとの要件あり工事内容に応じた要件あり(建設業法第26条)
書類審査あり(申請時)なし(施工体制台帳で確認)
兼任可否原則1人1営業所一部現場で複数現場管理不可の場合あり

専任技術者と主任技術者を“同一人物”が兼ねるケースもある?

はい、実務では同じ人物が両方を兼任することも可能です。
特に小規模事業者では、代表者本人が専任技術者として申請し、かつ現場では主任技術者として工事を指揮することもあります。

ただし、工事現場に長期間張り付きになるような業態で、営業所に常駐できなくなるような勤務形態になると、専任技術者としての常勤要件を満たさないと判断される可能性もあるため注意が必要です。


まとめ|専任技術者は“人材の証明”であり、許可取得の要

建設業許可において、専任技術者は**「技術的信頼性」を担保する最重要ポイント**です。

  • 学歴+実務経験、または国家資格が必要
  • 業種ごとに個別に要件を満たす必要あり
  • 書類の整備や確認作業に時間がかかることも
  • 外部採用や資格取得も視野に入れて戦略的に考えるべき

「うちの会社に専任技術者って該当する人いるの?」と不安な方は、無料でチェックできる診断ツールや専門家への相談も有効です。

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この記事を書いた人

元電気工事の現場代理人をしていた行政書士です。特に電気工事、消防工事等に強いです。

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